グラフィティスマッシュ



バンダイナムコオンラインより配信されている本作は、「ハンター」と呼ばれるユニットをフィールド上に射出して、敵にぶつけて戦うといった、引っ張りアクションRPGである。

このアクション形式こそ、スマートフォン向けゲームの多くに見られるすっかりお馴染みとなったものであるが、本作ではさらにそこに「フィールドを塗る」という要素が加わり、より戦術性を増したゲーム内容となっている。

プレイヤーは、個性豊かな「ハンター」たちを統率し、指示を与える「ローダー」として、共にダンジョンに挑んでいく。そうして挑んだクエストでユニットやアイテムを収集し、パーティを育成し、マルチプレイにも挑んでいこう。

ストーリー

世界観はオーソドックスな王道ファンタジーにスチームパンクなどが織り交ざったもので、キャラクター造形や背景の絵に独特の雰囲気が漂っている。

ゲームの舞台となるのは「バベル」という架空都市。プレイヤーはこの街に新しく就任したばかりの「ローダー」で、とびぬけた資質を持つ者として大いに期待され、早速モンスター退治の依頼などを受けることとなる。

期待に応えるためにも、危険地帯に足を踏み入れ、人類を脅かす「S級危険種」と戦っていくプレイヤーたち……その果てに、世界に起きた「異変」の正体を知ることができるのであろうか。

ゲームシステム

とにかく「塗り」という新要素が刺激的で魅力的な作品。まずはチュートリアルでこの新要素を理解していくことが肝心となる。

といっても、それほど難解なシステムではない。射出されたユニットが、その軌道上のフィールドに色を塗りながら飛んでいくので、要は角度や敵の配置などを計算に入れて、上手く効率よく、できるだけ多くの場所を塗っていけばいいだけである。

塗った色の上に乗っているユニットが強化されたり、総面積が拡大するほどにパーティ全体のステータスがアップしたりと、様々な効果が発生するようになっているので、コツを掴んでくると一気にテンポも良くなり、バトルはより楽しくなってくる。

配信から間もない作品であるが、コンテンツ数は充実している。

イベントも豊富で、これからますます賑わっていくことだろう。

メインストーリーを進めていくだけでも、かなりのボリュームがある。

またこのメインクエストでも、他プレイヤーとのマルチプレイが可能。

他プレイヤーの要請に応えた場合はスタミナも消費しないようになっているので、積極的に参加していこう。

ステージをクリアすると、アドベンチャーパートによりストーリーが進行していく。

また、各ユニットとプレイヤーの間には「絆レベル」という数値が設定されており、バトルを重ねて上昇させると、個別シナリオも解放されていく。

豊富なテキストや奥深い設定も、本作の大きな魅力の1つだ。

グラフィックや音楽

全体的にクオリティは高く、グラフィックは美麗で、音楽や効果音も熱く滾らせてくれる力に満ちている。

また「塗り」という新鮮味のある要素を、より特徴的に表現して活かしている演出の数々も見事。とにかくバトルに爽快感がある。

個性豊かなキャラクターはデザインが良いだけでなく、豪華キャストによるボイスも付いている。丹下桜や諏訪部順一、細谷佳正に日高里菜と、世代も男女もバランスよく入り混じった絶妙なキャスティングになっているので、声優ファンも要チェックの内容となっている。

さらに対人戦では、立木文彦による濃厚な実況ボイスまでついており、より熱い対戦を楽しむことができるだろう。

総合評価

どうしてもこういったアクション形式やゲームシステムだと、すぐに「モンストのパクリ」と評されてしまうが、実際遊んでみると、数多くの新しい要素が組み込まれた意欲的な作品であることがすぐにわかるはず。

とりわけ対人戦コンテンツの強化や、放置稼ぎができる遠征機能など、スマートフォンというゲーム環境をよく理解した作りは実に素晴らしいものと感じられた。

ゲームテンポも良く、ちょっとした時間の隙間にプレイすることも可能。

ただし要素の多さ故に、憶えなければならないことも多く、気軽さはちょっと薄い。序盤こそレア度の高いハンターで力押しが可能だが、次第にそれがきつくなってくるようなゲームバランスにもなっているので、戦術面でも戦略面でもやり込んでいく必要性があるといえるだろう。

もちろん対人戦などのやり込み系コンテンツに興味がなければ、ひたすらソロプレイでも遊べるように作られているので、のんびりとバトル爽快感やユニットとの交流を楽しんでいこう。遊び方の自由度はなかなかに高い作品である。